友の会散策ツアー<遠足篇>②茅ヶ崎館

特別展「映画をデザインする―小津安二郎と市川崑の美学」会期中に実施した散策ツアーのうち、今回は、11月9日に開催した茅ヶ崎館とその周辺の散策レポートをお届けします。

いざ、出発!

最初に訪れたのは、小津安二郎監督が脚本執筆で何度も訪れた茅ヶ崎館です。国木田独歩が亡くなった後に田山花袋や真山青果が故人を偲んだ場所としても知られています。 茅ヶ崎館五代目の森浩章さんより、茅ヶ崎館での小津監督のことなど、貴重なお話を伺いました。現在も様々な映画人が足を運んでいる茅ヶ崎館は、とても落ち着いた雰囲気で心が安らぎました。

その後、森さんに客室をご案内いただきました。小津監督が宿泊していた二番の部屋では、参加者から思わず感嘆の声が漏れました。また、樹木希林さんが撮影で茅ヶ崎館を訪れたときのエピソードも伺えました。

茅ヶ崎館を後にして、次に向かったのは茅ヶ崎海岸です。茅ヶ崎海岸では、『長屋紳士録』や『麦秋』をはじめとする小津監督の作品が撮影されています。

海岸を抜けて、高砂緑地に向かいます。その途中には国木田独歩の碑があり、参加者も足を止めて故人を偲びました。

最後に訪れた高砂緑地は、かつて新派劇の創始者として知られる川上音二郎と、近代女優第1号である川上貞奴の夫妻が居を構えた場所です。現在は茅ヶ崎市所有の緑地公園となっています。

作曲家 山田耕筰の碑もあります。

小津監督をはじめとした多くの文化人たちが心の拠り所とし、現在もその足跡が残る茅ヶ崎。映画を通して楽しむことも出来る素晴らしい場所でした。
ご参加くださった友の会の皆さま、散策ツアーをサポートしてくださった友の会サポーターの皆さま、そして森浩章さん、ありがとうございました。