立田敦子さんトークイベント

8月7日、映画ジャーナリストの立田敦子さんにご登壇いただき、「映画祭を楽しむために知っておきたい二、三の事柄」と題したトークイベントを開催しました。

今年のカンヌ国際映画祭は、COVID-19の影響により、例年の5月ではなく7月開催となりました。期間中に巴里祭の日(フランスの革命記念日、7月14日)も重なり、カンヌでも花火が打ち上げられたそうです。いつもとは異なる映画祭の雰囲気で、参加した監督や俳優、ジャーナリストの方々は、今年のカンヌ映画祭にどのような印象を抱いたのでしょうか。詳しく聞いてみました。

カンヌ映画祭2021 公式ポスター
カンヌのPCR検査会場(写真提供:立田さん)

PCR検査から結果通知までの迅速な流れは、映画祭の徹底したコロナ対策の賜物で、昨年開催を断念したカンヌ映画祭の今年にかける意気込みが伝わってきました。これまで大きな催しはオンライン続きだった映画人たちも、ようやくカンヌに集まって、大きなスクリーンでともに鑑賞できることの喜び、またその重要性を口々に語り合ったそうです。今年は濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』(日本では8月20日公開)が、脚本賞ほか全4冠に輝くという快挙もあり、授賞式当日の様子や前評判のことなどを詳しく教えていただきました。

そのほか、三大映画祭(カンヌ、ヴェネチア、ベルリン)の特色や近年注目を浴びている映画祭のこと、ジャーナリストの一日の動き、グッチやショパール、ケリングなど近年のスポンサー事情、アニエス・ヴァルダとのエピソードや「ウーマン・イン・モーション」の催しについて、Netflixなどが製作した作品の映画祭出品の現状など、私たちがこれまで詳しく知る機会の少なかった映画祭の多岐にわたる事柄を、90分たっぷりお話しいただきました。

世界の北野武ファン(写真提供:立田さん)

海外にはこのようなユニークな映画ファンもいて、好きな映画作家の新作が上映されれば世界各地に飛び回って映画祭に姿を現すそうです。このように立田さんが現地で撮った写真もたくさんご提供いただき、参加した皆さんにご覧になっていただきました。立田さん、このたびは本当にありがとうございました。(B.B.)