日本映画の新しいカタチ

いさなとり

(91分/2015年)

2017年3月25日(土)、26日(日)

上映開始:3月25日(土)10:30、26日(日)14:20
☆26日(日)16:00~藤川史人監督×久保田桂子監督アフタートーク

藤川史人(脚本・編集)監督

田中隼翔、木村祐斗、竹廣三四郎、きむらゆき、平吹正名

[料金] 一般:1000円 小・中学生:500円3月1日(水)より発売

唯一のフィクション作品ながら、広島県三次市に藤川が1年ほど住んで土地のことを調べ歩き、そこに住まう人々と出会う中でつくられた物語。千年前から伝わる天狗の舞いや、被爆体験を語る老人、無縁仏の存在などを点在させながら、この地に住む少年の視点からみえる世界が丁寧に描かれる。大地に根ざした人々の暮らしや、東京から来たよそ者が少しずつ馴染む姿、その日々の移ろいの様子が豊かな時間の流れをつむいでゆく。

リマ・インディペンデント映画祭
インターナショナルコンペティション部門
グランプリ受賞

異境の中の故郷:リービ英雄52年ぶりの台中再訪

(53分/2014年)

2017年3月24日(金)、25日(土)

上映開始:3月24日(金)13:00、25日(土)13:00
☆3月24日(金)14:00~大川景子監督×青木真緒さん(ブックショップ カスパール)アフタートーク

大川景子(撮影・編集)監督

リービ英雄、温又柔

[料金] 一般:1000円 小・中学生:500円3月1日(水)より発売

リービ英雄は日本語を母語とせず育ちながら、現在は日本語で創作活動を続けている。これは幼少期に彼がわずかに過ごしたことのある台湾を再訪し、もはや記憶の中にしか存在しないかつての「家」を探す旅。同行した作家の温又柔(おん ゆうじゅう)らとの会話やインタビュー、写真、リービの作品から抜粋された小節を織り交ぜながら、50~60年代初頭の台湾の鮮やかな想景を作り上げてゆく。2017年、リービは本作の旅を小説にした『模範郷』で読売文学賞を受賞。

記憶の中のシベリア:祖父の想い出、ソウルからの手紙

(40分/2013年+70分/2016年)

2017年3月24日(金)、26日(日)

上映開始:3月24日(金)13:00、26日(日)12:00
☆3月26日(日)16:00~久保田桂子監督×藤川史人監督アフタートーク

久保田桂子(撮影・編集)監督

久保田直人、朴道興(パク・ドフン)、山根みすえ

[料金] 一般:1000円 小・中学生:500円3月1日(水)より発売

『祖父の日記帳と私のビデオノート』 2013年/40分
『海へ 朴さんの手紙』 2016年/70分

祖父の世代が体験したシベリア抑留。そばにいて接する中で、久保田が思いを巡らせた祖父の記憶の中の情景を、彼の農業日記とともに綴る。もう一篇は、かつて日本兵だった朴さんが親友に宛てた手紙についての物語。久保田は何度送っても届かなかったその手紙を、60年後、届ける旅に出る。今は亡き不在の人物を巡って、親友の妻・山根すみえさんと朴さんが大切な人に宛てた言葉をなぞり、思い返す。時空を超えた往復書簡/交換日記のような二篇。

息の跡

(93分/2016年)

2017年3月25日(土)、26日(日)

上映開始:3月25日(土)14:20、26日(日)10:00
☆25日16:00~小森はるか監督アフタートーク

小森はるか(撮影・編集)監督

佐藤貞一

[料金] 一般:1000円 小・中学生:500円3月1日(水)より発売

震災のあと岩手県陸前高田市で暮らし始めた小森は、刻一刻と変わる町の風景をつぶさに見つめた。住民にカメラを向ける前にまず同じ時を過ごし、生きることにした。そこで出会ったのは一軒の種苗店。何でも一から作ってしまう「たね屋」の佐藤貞一さんは、自身の体験を独習した英語で綴り、自費出版していた。その一節を朗々と読む彼の声は、壮大なファンタジー映画の語り部のようだ。ふたりの間から、段々とひとつの作品が立ち上がってゆく。