崩壊と覚醒の70sアメリカ映画
2021年12月17日(金)~2022年3月13日(日)
1960 年代後半から70 年代にわたって、アメリカ映画は大きな転換期を迎えていました。この時代、ベトナム反戦と公民権運動、ウ ーマン・リブなどの社会変革を経て、個人の意識を根底から揺さぶる革新的な映画が次々と生まれます。『俺たちに明日はない』(1967年)や『イージー・ライダー』(1969 年)などの作品群は〈アメリカン・ニューシネマ〉と呼ばれました。従来のハリウッド映画の製作システムが破綻をきたし、プロダクション・コード(ハリウッドの自主規制)が終焉を迎えた頃、スタジオの外部からやってきた才能ある若い作り手たちが頭角を現し始めました。ようやく自分たちの身近な問題を扱った作品が登場したと感じた若者を中心にニューシネマは大きな反響を呼び、その中で開花したユニークな顔ぶれの俳優や監督たちが、 70 年代〈ニューハリウッド〉の基盤を形成し、今日まで大きな影響を与えています。
本展ではニューシネマに始まり、『JAWS/ジョーズ』(1975 年)や『スター・ウォーズ』(1977 年)などスピルバーグやジョージ・ルーカスが生み出した、現在へと繋がるエンターテインメント映画のメガヒット作に至るまで、70 年代のアメリカ映画を展示・上映で紹介します。
既成の価値観や権威が崩壊し、人種や性、政治に関する問題提起がなされた時代から半世紀が経ちました。社会がこうした事態に再び直面している現在の視点から、70年代映画の“光と闇”を振り返ります。
[企画展観覧料] 一般:200円(140円)小・中学生:100円(70円)
*( )内は20名以上の団体料金
展示協力:国立映画アーカイブ、小野里 徹(POSTER-MAN)
撮影:山崎あゆみ