冊子「鎌倉映画地図」と散策ツアーの開催
5月25日、特別展「鎌倉映画地図」の関連イベントとして鎌倉で撮影された映画のロケ地を巡る散策ツアーが開催されました。当日は、本展のイラストレーションと冊子「鎌倉映画地図」を手がけられた宮崎祐治さんをゲストに、参加者の皆様と記念館周辺を中心に歩きました。朝方の雨もあがり暑さも和らぎはじめ、絶好の散策日和となりました。
宮崎祐治さんは、昨年、東京を舞台にした映画をイラストレーションとエッセイで描いた著書「東京映画地図」を出版され、キネマ旬報映画本大賞2016の第7位を受賞されました。また、日本映画ペンクラブ奨励賞を受賞されています。今回の特別展は、以前より宮崎さんからぜひ「鎌倉映画地図」を作りたいとの話があり、企画が始まったものでした。
まずは記念館から路地を巡って、一路、老舗のカフェ「ミルクホール」の前まで。ここは鈴木清順監督の代表作『ツィゴイネルワイゼン』の一場面が撮影された場所です。そして、かつて洋画専門の映画館「市民座」があった若宮大路沿いのスルガ銀行の横を通り、「妙本寺」へと向かいました。「妙本寺」は『ツィゴイネルワイゼン』の豆まきの場面が撮影され、岩下志麻さんが主演された『辻が花』(中村登監督)の一場面も撮影されています。次に同じく鈴木清順監督による『陽炎座』のファーストシーンが撮影された「琴弾橋」へと向かい、最後は若宮大路から「鶴岡八幡宮」へと巡りました。「鶴岡八幡宮」は小津安二郎監督の『晩春』をはじめ、原節子さんが主演された『白魚』(熊谷久虎監督)や『ツィゴイネルワイゼン』など多くの名作が撮影されています。
当館スタッフの解説と宮崎祐治さんの楽しいトークで、普段の鎌倉の風景が、映画の街・鎌倉の風景へと変わる散策ツアーとなりました。
現在、記念館のグッズ売り場限定にて冊子「鎌倉映画地図」を発売しています。ぜひ冊子を片手に鎌倉の街を巡ってみてはいかがでしょう。(文)
冊子「鎌倉映画地図」表紙
*特別展「鎌倉映画地図」開催期間中、特別価格600円にて販売しています。