山内静夫さんトークイベント
6月18日は、小津組プロデューサーとして数々の作品を手掛けられた山内静夫さんにお越しいただき、「小津安二郎監督と『お早よう』あれこれ」と題したトークイベントを開催いたしました。
当館総括責任者の大場が聞き手となり、山内さんがプロデュースされた作品を中心に小津監督とのエピソードをお聞きしました。北鎌倉にあった小津監督のお住まいについてや、撮影所での小津監督とのやり取りなど、身近に接しておられた山内さんの貴重な経験談に、その創作の秘密の一端を垣間見た気がいたしました。また、『小早川の秋』のラストシーンで映し出された墓地にいるカラスのショットなど、「死」に対する豊穣ともいえるイメージの数々のお話があり、小津監督の作品世界を形成する意外な一面に気づかされる思いがいたしました。
今回、トークイベントの前に上映しました『お早よう』のような庶民生活を喜劇的に描いた世界は、小津監督の「蒲田調」を象徴する作品である「生まれてはみたけれど」にも通ずる魅力を伝えてくれる作品ではないかというお話がありました。また、小津監督作品のなかで1番好きだという人も多いとのことです。
最後に、小津安二郎監督の作品がますます世界で高い評価を受けている現在を語っていただき、会場の皆様とその偉大さをあらためて共有したトークイベントとなりました。山内さん、どうもありがとうございました。
今回の企画展最後のトークイベントを盛況のうちに開催することができ、企画展も無事に終了することができました。今後も松竹大船撮影所の名作の数々を当館でも上映してまいりますので、今後の企画上映にぜひご期待ください!