企画展「シネマティック・ジャパン―世界を魅了した日本映画たち」が開幕しました
すっかり暖かくなり、草木の緑も日増しに色濃くなってきました。
川喜多映画記念館では4月4日より、新しい企画展「シネマティック・ジャパン―世界を魅了した日本映画たち」が始まりました。

本展は「日本映画」を取り上げていますが、海外で制作された日本映画のポスター(=海外版)を通して、どんな映画がどんな風に世界で見られてきたかをご紹介しています。
“世界のクロサワ”と呼ばれる黒澤明監督作品は、欧米はもちろん、フィンランドからチェコスロヴァキア、アルゼンチン、キューバからタイまで、ポスターの制作国を見ても、いかに黒澤映画が世界中で見られているかがわかります。

日本映画は、黒澤明の『羅生門』(1950年)をきっかけに国際的に認知されていきますが、黒澤、溝口、小林正樹、大島渚…といった映画作家を中心に紹介されてきた流れがある一方で、チャンバラ以来の「アクション時代劇」、Jホラーの源流とも言える「怪談もの」、任俠から現代ものへと移行してく「やくざ映画」、そしてゴジラに代表される「怪獣映画・特撮映画」など、日本で長年親しまれてきた大衆向けの娯楽映画・ジャンル映画もまた、海外で愛されてきました。


戦後の「ポーランド」ポスターのように、絵画的表現を多用し芸術性が強いポスター、近年の「韓国」ポスターのように、気鋭のデザイナーたちが作品の世界観を複数のアートワークに落とし込んでいく形態など、国によってポスターの在り方は様々です。

展示室にひしめき合う約130点のポスターから、お気に入りを3点選んでシールで投票していただくという参加型企画も実施しています。

私たちがよく知っている映画でも、大胆な色味やモチーフで表現された海外版ポスターは、とても新鮮な印象を与えてくれるに違いありません。是非お気に入りのポスターを探しながらお楽しみください。

14日(火)からはいよいよ映画の上映も始まります。初週は『砂の女』(勅使河原宏監督)、『雨月物語』(溝口健二監督)、『怪談』(小林正樹監督)と、いずれも1950年代から60年代にかけて国際映画祭で受賞した名作ばかりです。日本映画を〈外〉からの視点で見つめ直し、改めてその魅力を知る機会になれば幸いです。



企画展は6月14日まで続きます。春の鎌倉散策とともに、皆さまのご来館をお待ちしております。

