特別展「サスペンス・ミステリー映画のあやしい世界」が始まりました

 11月30日(日)より、特別展「サスペンス・ミステリー映画のあやしい世界」が始まりました。

 サスペンスもミステリーも、日本で誕生したジャンルではありません。しかしながら映画であれテレビドラマであれ、今日の日本において、サスペンスやミステリーにカテゴライズされる作品を上映・放送していない日はほとんどありません。それほどまでにこれらのジャンルは日本に深く根付き、私たちを魅了し続けています。
本特別展では、サスペンス・ミステリー映画の中でも、「あやしい世界」を描いた作品に焦点をあてて展示・上映しております。作品の舞台は自宅から宇宙空間まで、テーマは愛憎・社会問題・哲学的な問いなど様々。「あやしい世界」というカテゴリーに絞ってみても、やはりこのジャンルは広く、深い。アルフレッド・ヒッチコック、フリッツ・ラング、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー、スタンリー・キューブリックなど巨匠たちの名作を礎として、今なお縦横無尽の広がりを見せています。

 展示では、サスペンス・ミステリー映画における主要なカテゴリーをご紹介しつつ、作品の世界観を凝縮したような、あやしく魅力的なデザインのポスターを中心にご紹介しております。

 上映は12月14日(日)、キューブリックの『アイズ ワイド シャット』(1999)から始まります。ヒッチコック、キューブリックらの巨匠たちの作品、今年一月に亡くなったデヴィッド・リンチの傑作『マルホランド・ドライブ』(2001)、近年の話題作である『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』(2023)や『教皇選挙』(2024)など、「あやしい世界」を描いた珠玉の16作品を上映します。
*『アイズ ワイド シャット』は35mmフィルムでの上映です。キューブリック作品のフィルム上映を堪能できる貴重な機会ですので、ぜひお越しください。

 また、ホラー作家の平山夢明さんとポスターコレクターの小野里徹さん、映画批評家の須藤健太郎さんと字幕翻訳者・文筆家の上條葉月さんといった専門家をお招きして、あやしい映画について語りつくす対談形式のイベントを開催いたします。

 展示、上映、イベントを通して様々な角度から「(あや)しい世界」を描いた映画と出会える空間となっておりますので、鎌倉にお越しの際はぜひ鎌倉市川喜多映画記念館にお立ち寄りください。