夏の企画が始まりました
「暑い」という言葉が挨拶代わりになっているこの夏、皆さん、乗り切っていらっしゃいますか?
川喜多映画記念館では、8月2日(土)より、企画展「開館15周年記念 鎌倉・川喜多邸を訪れた映画人」が始まりました。

2010年4月に開館した当館は、今年、開館15周年を迎えています。10周年の時はちょうどコロナ禍にあたってしまったのですが、今回は「川喜多長政・かしこ夫妻の仕事」と「鎌倉」という土地を結び付けて、かつてこの場所にあった川喜多邸を訪れた映画人を中心にご紹介しています。


川喜多邸を訪れた映画人には、鎌倉にお住まいだった田中絹代さん、笠智衆さんから、来日時に鎌倉に招かれたフランスのフランソワ・トリュフォー監督、インドのサタジット・レイ監督、小津安二郎監督にオマージュを捧げたドキュメンタリー『東京画』を手がけたヴィム・ヴェンダース監督などがいるのですが、その中には、昨年8月に亡くなった俳優、アラン・ドロンも含まれます。

代表作である『太陽がいっぱい』、巨匠ミケランジェロ・アントニオーニと組んだ『太陽はひとりぼっち』、孤高の殺し屋を演じて新たな俳優像を確立した『サムライ』の3作品は、8月26日(火)~31日(日)に当館で上映を予定しています。30日(土)には『太陽がいっぱい』上映後、映画研究家・書籍編集者の森遊机(もり ゆうき)さんによるトークイベント「アラン・ドロン よみがえる太陽の神話」も実施します。展示と上映を通して、在りし日の彼の活躍を振り返っていただければと思います。

二枚目俳優として数多くの映画に出演し、世界中のファンを虜にした大スター、アラン・ドロンは、1963年、第3回フランス映画祭の代表団の一人として来日し、鎌倉・川喜多邸でひと時を過ごしました。展覧会では、日本にも多くのファンを持つアラン・ドロンの出演作のポスターや関連資料を多数出品しています。



当館敷地内、庭園の小高いところに立つ「旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)」は、春と秋の公開日以外、普段は非公開で遊歩道から眺めていただくのみですが、数々の映画人が交流した舞台ともなり、今回の展覧会とは密接に関連していることから、企画展の関連イベントとして「解説付き見学会」を毎月第2・第4土曜日の13時より行うことにしました。
8月9日の第1回目の見学会には、暑い中、6名の方にご参加いただきました。自然いっぱいの庭園内ではセミの大合唱が響いていましたが、古い日本家屋の趣を楽しんでくださっていました。


9日には、親子で映画を楽しんでいただく、夏休みの映画館『北極のムーシカミーシカ』も上映し、1979年に手塚治虫率いる虫プロが製作した名作アニメーションを16㎜フィルムでご覧いただきました。1961年に発表されたいぬいとみこさんによる児童文学が、時を越えて、令和の時代にもアニメーション映画として子どもたちに観られていると思うと感慨深く感じます。北極に生きるものたちの強さと優しさ、厳しさが描かれた本作で少しはクールダウンしていただけたのではないでしょうか。
企画展の開幕とともに、さっそく夏のイベントも始まった当館、来週14日~17日には「鎌倉へいわ映画祭」と題して、占領下の日本で作られた4作品の上映があります。お問い合わせも日に日に増えていますので、是非お電話等で残数をご確認のうえ、お出かけください。
企画展は11月24日(月・振)まで続きます。皆さまのご来館をお待ちしています!