『ドンバス』トーク付き上映「ウクライナ取材の先に見えてきたもの」を開催しました

2022年12月6日(火)~12月11日(日)にかけて、かまくら世界映画週間を実施しました。かまくら世界映画週間とは、川喜多夫妻が理念とした”映画が世界を結ぶ“をテーマに映画を通じて国際交流や文化に対する理解を深めるというものです。今回は、ウクライナの映画3作品『ドンバス』、『アトランティス』、『リフレクション』を上映しました。

そして、12月11日には特別上映として、『ドンバス』上映後にトークイベント「ウクライナ取材の先に見えてきたもの」を開催しました。ご登壇いただいたのは、ジャーナリストで映画監督でもある新田義貴さんです。

新田義貴さん

新田さんはNHKでアジアや中東、アフリカなどが抱える問題に焦点を当てた番組制作を行ったのち、2009年に映像制作ユーラシアビジョンを設立されました。テレビや映画などの分野でドキュメンタリー作品の制作を続けていらっしゃいます。そして、今年の3月には実際にキーウで取材を重ねてこられました。キーウでは、実際に現地の人々にインタビューして映像として記録していったそうです。

今回は『ドンバス』の配給を決めた、株式会社サニーフィルムの有田浩介さんにもご登壇いただきました。有田さんには、11月にオランダ・アムステルダムでセルゲイ・ロズニツァ監督(『ドンバス』の監督)と対面した際のお話、そして、ロズニツァ監督の今後の動向についてお話しいただきました。

向かって左が有田浩介さん、右が新田義貴さん

「かまくら世界映画週間<ウクライナ篇>」の企画は今年の7月より始動しました。すでにウクライナの様子が毎日メディアで取り上げられることが当たり前になっていましたが、開催時期の12月にはどうなっているのだろうと考えながら本企画を進めてきました。現在も、私たちのもとには連日のようにウクライナの情勢が伝えられています。

「私たちは様々な方法で情報を得ることが出来るが、多くの情報の中から自らが情報を選択し判断していくことが大切である」ということを新田さんがお話されていました。また、有田さんからはロズニツァ監督と直接話したことで、引き続き協力していきたいという今後の展望も伺えました。実際に現地へ向かい、ご自身の目で見てこられた新田さんと、日本でのロズニツァ監督作品の上映を決めた有田さんのお話は、私たちが知見を得る機会となったのではないでしょうか。

トーク終了後も、来場者と新田さん、有田さんで輪になってお話をされていました。ウクライナという国について、その国の映画を通して知り、さまざまなお話を聞くことで、貴重な交流の場を設けることができました。

ご来場いただいた皆さま、そして新田さん、有田さん、ありがとうございました。