名優(バイプレイヤー)たちの再発見~企画展振り返り①~
3月19日より開催してきました企画展「日本映画名優(バイプレイヤーズ)列伝」は、6月20日をもって無事に終了しました。
俳優を取り上げた企画展というと、これまではどうしても“スター”に偏りがちでしたが、昨今の“バイプレイヤーブーム”(NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』やテレビドラマ/映画『バイプレイヤーズ』)の波に乗る形で、当館では日本映画の黄金時代と呼ばれる1950~70年代に活躍した名優たちをご紹介しました。
若い世代の方にとっては馴染みのない俳優が多いのではないか、という点が不安材料でしたが、私たちが思っていた以上に若いお客様にもお越しいただくことができました。
「懐かしい俳優たちとの久しぶりの再会を楽しんだ。ほとんどの俳優が鬼籍に入ってしまって残念」
「テレビドラマなどでよく見ていた俳優たちが、それ以前にこんなにたくさんの映画に出ていたことが新鮮」
「顔は見たことがあったけれど、この展示で初めて名前と顔が一致した」
と、アンケートにお寄せいただいた感想にも世代ごとの違いが現れるのが興味深かったです。
今回は俳優たちのプロフィールを紹介するパネルが多く、全て目を通すとかなり時間がかかってしまう構成になっていましたが、長い時間をかけて俳優たちのプロフィールを一人でじっくり読まれる方、お友達同士で「懐かしいねぇ」「この映画見たことあるよ」と言い合いながらご覧になる方など、味わい方もそれぞれのようでした。
来場者の参加企画「想い出のバイプレイヤーは誰ですか?」は、皆さまそれぞれに思い出深い俳優や作品、印象的なセリフなどを自由に書いていただくコーナーです。開幕当初は一面真っ白で、ご参加いただけるかどうかドキドキしていましたが、会期の最後には色とりどりのメッセージで埋まり、展示で紹介している俳優、取り上げていない俳優、現在活躍中の俳優から外国の俳優まで、様々な名前が挙がりました。企画展開催中に訃報が伝えられた田中邦衛さんの名前も散見され、名優の在りし日の姿が偲ばれます。(続く…)