バイプレイヤー(=名優)たちに萌ゆる春

今年は例年より桜の開花も早く、鎌倉も満開の時期を迎えています。
鎌倉市川喜多映画記念館では、新しい企画展「日本映画名優(バイプレイヤーズ)列伝」が3月19日(金)より始まりました。

ドラマや映画を通して「バイプレイヤー」たちの存在に注目が集まる昨今ですが、本展では、1950~70年代の日本映画の黄金時代に活躍した名バイプレイヤーたちを取り上げ、日本映画がいかに素晴らしい役者陣によって支えられていたか、その層の厚さを振り返ります。

日本を代表する巨匠たちの常連俳優、一度見たら忘れられない個性的な風貌、善人も悪人のお手の物の芸達者ぶり、演劇に映画に、重厚な人間ドラマにお色気路線にと、大車輪の活躍を見せた往年の名優たち。
年間何百本もの新作が作られていたこの時代、彼らなしでは日本映画は成立しなかったといっても過言ではありません。
人気シリーズ映画から賛否両論を生んだ問題作まで、ずらりと並ぶ出演作のポスターを眺めてみても、彼らがいかに多様な作品で多彩なキャラクターを演じてきたかがわかるでしょう。
展示では、取り上げている俳優ひとりひとりのプロフィールを、スチル写真やポスターと併せてご紹介しています。

また、名優たちの素顔や意外な趣味を知ることのできる著書を収集し、「脇役本」として書籍を上梓されているライターの濵田研吾さんに資料をご提供いただき、《脇役本》コーナーも設けています。
バイプレイヤーたちにこんな著作があったのか!あの名悪役の趣味はなんと文学?など、きっと新鮮な驚きに出会えることでしょう。
濵田さんの書籍は、今年度のキネマ旬報映画本大賞で第9位となった新著「俳優と戦争と活字と」と併せて販売もしていますので、是非ミュージアムショップでお求めください。

企画展「日本映画名優(バイプレイヤーズ)列伝」は、6月20日(日)まで開催しています。
4月6日(火)からはいよいよ映画上映も始まります。引き続き感染予防対策をしっかりと講じていきますので、
皆さまのご来館をお待ちしています。(胡桃)