市制80年を記念して-1939年に思いを馳せるスタンプラリー・トークイベント-

皆さんは、当館も参加しているミュージアム・スタンプラリーをご存知ですか?
鎌倉の中でも近隣に位置する5つのミュージアム(鏑木清方記念美術館・神奈川県立近代美術館・鎌倉国宝館・鎌倉歴史文化交流館・川喜多映画記念館)が、それぞれに異なる分野の施設同士を楽しく巡っていただこうと実施しているスタンプラリーです。


昨年からイベントも行なうようになりました。今回は3月2日、閉館後の歴史文化交流館にて、鎌倉市の市制80年を記念して「1939年とその時代」をテーマに、各館の学芸員によるトークセッションを開催しました。

1939年といえば、日中戦争の最中、国全体が加速度的に軍国主義化していく中で、芸術・娯楽・学問などの分野は締め付けが強まり、自由な表現活動が制限されていった時代、そんな時代をテーマに置くことに懸念がまったくなかったわけではありませんでしたが、結果的にそんな時代だったからこそ、皆さま興味深く参加してくださったように思います。

当館は映画の観点から、鎌倉に撮影所のあった松竹の同時代の作品をご紹介しましたが、例えば日本画の世界では、時局に合わせた作品題をつけつつも中身は己の表現を追求するやり方をしていたり、過去の国難を記憶し戦意を高揚するために、「元寇」をテーマにした展覧会が次々と開催されていたことなど、どの館のお話も大変興味深く、私自身にとってもとても勉強になりました。

来年度のスタンプラリーは4月6日より開始予定です。
2019年度はまた、現在改修休館中の神奈川県立近代美術館鎌倉別館が10月にリニューアルオープンを予定しています。
秋に再び、今度は「リニューアル」をテーマにしたトークイベントを開催予定ですので、それまでスタンプラリーを楽しんでいただきつつ、是非次回もご参加ください。(胡桃)