映画と読書の秋に、シネマセレクション「映画と本と図書館と in 鎌倉」を開催しました!

11月20日から25日にかけて市民団体「図書館とともだち・鎌倉」との共催企画として、鎌倉市図書館の協力を得て、シネマセレクション「映画と本と図書館とin鎌倉」を開催しました。今年、「図書館とともだち・鎌倉」が20周年を迎えたのを機に企画された本イベントでは、映画と本と図書館に関連する3作品の映画上映とアフタートークを実施しました。

三重苦であった少女ヘレン・ケラーを全身全霊で教育したサリバン女史の姿を描いた『奇跡の人』は、公開当時、「早朝映画教室」と銘打って中・高校生を対象にした団体鑑賞が行なわれるなど大ヒットした映画で、川喜多夫妻の東和によって公開されました。

昭和12年に鎌倉・御成小学校講堂にて開催されたヘレン・ケラー女史の講演会は、当時、日本基督教団鎌倉教会の牧師であった白水萬里牧師のご尽力によるものでした。アフタートークでは、現在の牧師である森牧師に白水牧師が実際に書かれた週報を見せていただきながら、当時の様子をお話しいただきました。講演会前日が雨だったことや、鎌倉駅に到着したヘレン・ケラー女史に花束と鎌倉彫の宝石箱が贈呈されたことなど、貴重な記録から、当日の様子が克明に分かり、森牧師のお話とともに深い感動がありました。

連日、鎌倉市中央図書館司書の中田孝信さん、鎌倉同人会の内海恒雄さんによるアフタートークや、鎌倉市深沢図書館司書の只腰あずみさんによるブックトークと興味深いお話をお聞きすることができました。また、座談会では「映画と本と図書館と~未来に残したい鎌倉の文化、繋げたい人と人~」と題して、図書館とともだち・鎌倉の和田安弘さんと阿曾千代子さん、鎌倉市中央図書館司書の中田孝信さんにご登壇いただきました。2011年に行なわれた鎌倉市図書館の百周年事業の際のお話から鎌倉市図書館の貴重な蔵書について、また、これからの資料の活用についてなどのお話しをいただきました。

期間中は、旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)にてイラストレーター伊東雅江さんの作品展が同時開催され、鎌倉にある素敵な建物の原画も皆様にご覧いただきました。

映画と本と図書館には尽きせぬ繋がりがありますので、これからも新たな視点でイベントが開催できればと思います。ぜひご期待ください。(文)