企画展<映画と音楽の素敵な出会い>終幕

長かったようで短い夏も終わり、企画展<映画と音楽の素敵な出会い>も盛況のうちに幕を閉じることができました。『アラビアのロレンス』や『ラストエンペラー』、『甘い生活』など、今回の特集の関連上映はどの作品も好評でチケットの売れ行きがよく、大変な賑わいをみせました。スクリーンでの上映を観る機会が久しくなかったという作品もありましたし、『男と女』や『死刑台のエレベーター』のように心に残る印象的なメロディがあって、映画音楽の切り口で再びスポットを当てることによって注目の集まった作品もありました。皆さま、楽しんでいただけましたでしょうか。

9月2日(土) ミニコンサート 共催:鎌倉芸術館

「スチールパンで奏でる映画音楽」演奏:smick pan crew

せっかくの映画と音楽の特集なので何か演奏会イベントをできたらいいなと考えていたところ、鎌倉芸術館キャラバン隊の皆様のご協力により、当記念館の庭園内にある旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)で初のミニコンサートを開催することができました。現在改修工事により休館中(2017年1月~9月)の鎌倉芸術館が、鎌倉市内のほかの施設に出張してコンサートのイベントなどをお届けする休館中のプロジェクト・鎌倉芸術館キャラバン隊。鎌倉国宝館では「古神宝に見る雅楽の世界」と題したイベントが同じく9月中に開催されていたようです。

当記念館では、鎌倉・逗子在住のメンバーを中心に活動するスチールパン・バンド“smick pan crew”(スミック パン クルー)の皆さんにお越しいただき、『プリティ・ウーマン』のテーマ曲や『ティファニーで朝食を』の主題歌“ムーン・リバー”、それから『スウィングガールズ』の演奏レパートリーにも入っていたグレン・ミラー楽団の代表曲“イン・ザ・ムード”、ディズニー映画『リトル・マーメイド』の主題歌“アンダー・ザ・シー”など、お馴染みの曲を演奏していただきました。いくつか種類の異なるスチールパン(スチールドラム)の楽器をメンバー7人で奏でる音色は心地よく、何よりも演奏している皆さんの楽しそうな表情や動きが聴衆に集った100名を越える方々にも伝播し、野外演奏ならではの気持ちの良い雰囲気の中でのコンサートとなりました。当日の午前中は雨が降っていて、どうなるか不安な空模様だったのですが、午後からは見事に天気が回復して夏らしい暑さも戻り、野外演奏の催しとしては最高の日和となりました。

9月9日(土) ギャラリートーク

「Walkabout ~美しき映画ポスターをめぐる旅」

そして企画展のフィナーレを飾るに相応しいイベントとして、今回の展示で『2001年宇宙の旅』、『未知との遭遇』、『ブレードランナー』、『チャイナタウン』など所蔵の海外版オリジナルポスターをご提供いただいた映画ポスターコレクターの小野里徹さんと、『60、70、80、90、ゼロ年代アメリカ映画100シリーズ』(芸術新聞社)の企画・編集・共編執筆者である渡部幻さんをお招きして、ギャラリートークを開催しました。ポスターの魅力や映画作品そのものの魅力、細部のデザインの特徴などに関して、こんなにも詳細なお話を聞ける機会もまたとない、ということで当記念館の展示室はそれほど大きなスペースではないのですが、参加してくださった40名近い皆様とギュウギュウになりながら、会場を周遊しました。

明日からは特別展<映画衣裳デザイナー 黒澤和子の仕事>がスタートします。時代劇の衣裳デッサンや実際に映画で使われた衣裳も登場します。ご期待ください。(B.B.)