雨の和辻邸公開
桜が満開の春らしいおたよりの後にはふさわしくないかもしれませんが、先週末、4月8日(土 )、9日(日)は旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)の年に2回の一般公開でした。
ここのところ雨降りが多く、せっかくの公開日も日曜日は雨と前々から予報が出ていましたが、なんと土曜日も…雨!
結局両日ともにほぼ一日中雨模様で、そろそろ止むかな?と思うとまた雨足が強まる、といった具合。
嫌がらせか!とお天道様を恨みたくもなりましたが、雨の割に気温が高かったのがせめてもの救いでしょうか。
旧和辻邸は庭園内の小高い場所にあり、階段状になっている細い坂を登っていかなくてはなりません。
雨のせいで次第に地面がぬかるみだし、8日の午後には滑ってしまいそうな状態に。足元にダンボールを敷くなど、打てる手は打ったものの、あとはお客さんにお声がけをして、注意深く進んでいただきました。
ハイキングシューズや、雨対策済みの方は問題なかったものの、綺麗なお足元のお客様にはひやひやさせてしまい、申し訳なかったです。
そしてお客様に言われた気がついたのですが、雨でぬかるんだ地面を踏む機会って、最近ではほとんどありませんよね?
スタッフはただもう滑らないように、ということしか考えていませんでしたが、久しぶりに味わうぬかるみの感覚を懐かしんでくださる方もおり、お陰で沈んだ気持ちが少しだけ晴れました。
そして子どもにとってもぬかるみは新鮮だったようで、はしゃぎまわる子どもたちの後ろを、滑って転ばないかとひやひやしながら追いかけるお母さんの姿も見られました。
施設公開は、荒天でない限りは中止にしないのですが、当館の場合は、荒天でないとしても、お客様が転んで骨折などという事態になっては大変なので、そのあたりの見極めが大切だと改めて実感しました。幸い今回は事なきを得ましたが、危機管理に関する課題が浮かび上がってきたイベントとなりました。
滅多にない(あっては困る!)雨の中の和辻邸開放は、ほろ苦く、しかし雨の匂いや地面のぬかるみなど、子ども時代に外で遊びまわっていた頃の記憶がフッと戻ってくるような、不思議な瞬間を伴う2日間でした。
雨の中ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました。(胡桃)