春のワークショップ「あなたもシナリオを書いてみませんか」

ゴールデンウィークもあと少しとなりました。今年は天候にも恵まれ、鎌倉にも大勢の方々が観光にお越しになっています。今日は「こどもの日」ですので、鎌倉の町にも子どもたちの健やかな成長を願って掲げられた鯉のぼりを見ることができます。

記念館では毎年、夏休み期間に「子どもシナリオ・映画教室」を開催して、子どもたちにシナリオの面白さをお伝えしておりますが、3月には当館で初めてとなる大人向けのシナリオ教室を開催しました。「人生を楽しむためのシナリオ教室 あなたもシナリオを書いてみませんか」と題して、講師に『青春とはなんだ!』『俺たちの旅』『太陽にほえろ!』などのテレビドラマを手掛けられたプロデューサーの岡田晋吉さんをお迎えしました。14名の幅広い世代の方々にご参加いただき、「シナリオの書き方の実際」「私のドラマの発想」「シナリオを面白く書くために」と題した講義と、参加者の皆様から提出いただいたシナリオの講評で、3月2日、23日、30日と3日間かけて体験していただきました。

講義はこれまで岡田さんがプロデュースされたテレビドラマから、具体例をあげてお話しいただきました。なかでも、昭和51年から52年にかけて放映された勝野洋さん主演の青春テレビドラマ『俺たちの朝』は鎌倉・極楽寺を舞台にしたゆかりの深いドラマです。岡田さんは鎌倉出身ということもあり、なんとしてもこの鎌倉を舞台にドラマを制作したかったそうです。若者たちを描いた本作の大ヒットで、ロケ地巡りが人気となり、当時、廃線の危機にあった江ノ電が、再び活気を取り戻したというエピソードも、大変面白かったです。

今回、皆さま、初めてシナリオを書かれるということもあって、岡田さんから「新聞の投稿欄のエピソードをもとに、その前後を想像することでシナリオ創作のヒントになります」とアドヴァイスをいただきました。短編のストーリーは長編のものとは違い、一つのエピソードに絞ることが大切で、そのためにもすごくいい方法だなと思いました。

シナリオ表現は、台詞での対話を想像していくものですので、私たちの日常生活でもコミュニケーションの技術として役立ちますし、ドラマを発想していくことで、人生をより豊かにしていける想像力も養えるものだと思います。そういったことからも、シナリオを学ぶことは素晴らしいことだと思います。当館では、このシナリオ教室をこれからも続けてきたいと思いますので、次回はぜひ参加してみてください。(文)