「“影絵劇と映画”を楽しむ 劇団かかし座との3日間」を開催しました!

今年、平成28年は、昭和21年5月に鎌倉の材木座光明寺に開校した鎌倉大学校(鎌倉アカデミア)の創立70周年にあたります。文学科、産業科、演劇科、映画科があった鎌倉アカデミアとゆかりの深い映画人も多く、鎌倉と映画を語るうえでは欠かせません。6月4日(土)に材木座光明寺にて創立70周年記念祭が開催されますが、当館ではそれに先駆けて4月15日から17日にかけて「“影絵劇と映画”を楽しむ 劇団かかし座との3日間」を開催しました。

鎌倉アカデミアは、昭和21年、戦争の爪痕が色濃く残るなか、新しい時代の教育を目指し、三枝博音、吉野秀雄、村山知義、高見順らの教授陣と戦時下に青春時代を送った若者たちが集った学びの場でした。しかし、戦後の混乱による経営難もあり、わずか4年半で閉校となりました。それでも、この学校から戦後の日本を牽引する多くの才能が羽ばたいていきました。鎌倉アカデミア演劇科1期生である後藤泰隆氏もその一人でした。後藤氏は鎌倉アカデミア在学中に当館の近く、現在の雪ノ下の公会堂がある場所で、同期であった若き日の前田武彦氏やいずみたく氏らとともにサークル「小熊座」をつくり、演劇活動を始めました。そして、昭和27年には日本で最初の影絵専門劇団「かかし座」を創立します。かかし座は、放送開始間もないNHKの専属劇団として影絵劇の番組を手がけ、また、巡回公演での活動を通じて、子どもたちに影絵の魅力を伝えてきました。後藤氏は、影絵には想像力を養う力があり、それが子どもたちを育む創造力へと繋がるということを語っています。

かかし座創立から60年後、平成24年には劇団かかし座創立60周年記念公演が開催され、その様子を撮影したのが、今回、上映をしたドキュメンタリー映画『影たちの祭り』でした。監督は映画『カナカナ』や『火星のわが家』などを発表されてきた大嶋拓さんです。大嶋監督の父親は鎌倉アカデミア演劇科の教授であった青江舜二郎氏であり、鎌倉アカデミアともゆかりの深い方です。今回、上映後にはトークイベントを開催し、創立者である後藤泰隆氏の御子息で、現在の代表である後藤圭さんや、大嶋拓監督、かかし座の菊本香代さん、そして、鎌倉シネサロンにて鎌倉アカデミア演劇科2期生でかかし座の台本を多数手がけられてきた劇作家の若林一郎さんにお越しいただきました。また、鎌倉アカデミア演劇科1期生で後藤泰隆氏と同期であった鎌倉在住の加藤茂雄さんにもご登壇いただき、当時の鎌倉アカデミアのお話や後藤氏とのエピソードをお話しいただきました。

左から劇団かかし座代表の後藤圭さん

左から劇作家の若林一郎さん、映画監督の大嶋拓さん

左から若林一郎さん、加藤茂雄さん、後藤圭さん

今回のイベント開催にあたっては、後藤氏の「たくさんの人々の心に夢を育てたい」という思いからぜひ子どもたちとのワークショップをと、かかし座を代表する役者である菊本香代さんを講師にお招きし、影絵人形の制作から、スクリーンに投影して遊ぶ「親子影絵教室」を開催させていただきました。最後には、かかし座が制作した2本の短編作品の上映もあり、影絵の魅力を親子で体験していただき、とても楽しいイベントとなりました。子どもたちの夢いっぱいの想像力で作られた影絵人形は、本当に素敵なものばかりでした。今回の影絵人形は7月13日から18日にかけて鎌倉駅の地下道ギャラリーにて展示しますので、こちらもぜひご覧ください。

「親子影絵教室」の様子

今回、かかし座が制作した貴重な16mmフィルムの上映もあり、映画を通して、影絵の世界を楽しむとともに、劇団かかし座と鎌倉アカデミアの貴重なお話しをお聞きすることができました。本イベント開催にあたっては、劇団かかし座の皆様、鎌倉アカデミアを伝える会の皆様をはじめ、大勢の方々にご協力を賜りました。この場をかりて厚く御礼申し上げます。これからも、鎌倉ゆかりの影絵劇団であるかかし座の活躍を楽しみにしております。

6月4日(土)には、材木座光明寺にて鎌倉アカデミア創立70周年記念祭もありますので、こちらもぜひ足をお運びください!(文)