赤と黄色の彼岸花
シルバーウィークと呼ばれる大型連休、皆様いかがお過ごしでしょうか。
秋のお彼岸を迎えた鎌倉は連日沢山の人で賑わっており、川喜多映画記念館もその恩恵を受けて多くのお客様にご来館いただいています。(本日などはGW以上かも!?)
[特別展]「鎌倉の映画人 監督 小津安二郎と俳優 笠智衆」初日、当館に宅急便がひとつ届けられました。
差出名はオフィス小津、中には赤と黄色の彼岸花が入っていました。
ちょうどお彼岸の時期でもあり、また小津監督は『彼岸花』という作品も作られていますが、この彼岸花にはさらに深い物語があるのです。
北鎌倉にあった小津監督のご自宅の庭には、監督の好きな赤い花を咲かせる彼岸花が植えられていたのですが、そこへ笠智衆さんが故郷である熊本の黄色い彼岸花の球根を贈られたんだそうです。
監督が亡くなられてからは、弟の信三さんとその妻・ハマさんが千葉県野田市のご自宅に植え替え、花の咲く季節になると、赤と黄色の彼岸花を小津監督にゆかりのある方々に贈るようになり、その習慣は信三さんからハマさん、ハマさんから娘の亜紀子さんへと受け継がれて現在に至るそうです。
当館での展覧会と彼岸花の季節がちょうど合ったので、そのお祝いも兼ねてお花を届けてくださった、というわけですね。
生花のため、短い期間にはなってしまいますが、展示室のご挨拶パネルの横に生けてありますので、期間中にご来館くださったお客様は、是非お花もあわせてお楽しみください。
それにしても、笠さんが小津監督に贈られた黄色い彼岸花と、小津監督が大好きだった赤い色の彼岸花の組み合わせとは、今回の展覧会のテーマである「監督 小津安二郎と俳優 笠智衆」になんとぴったりなことでしょう。
私達スタッフも、お二人が愛されたお花を愛でながら、12月まで続く展覧会の無事をお祈りいたします。(胡桃)