『事件』上映後の大嶺監督アフタートーク

4月12日(土)の『事件』上映後に、本作のチーフ助監督を務められた大嶺俊順監督にお越しいただき、アフタートークを開催しました。昭和53年に公開された本作は、日本アカデミー賞作品賞、脚本賞をはじめ、当時、新人であった大竹しのぶさんが主演女優賞を受賞されるなど、高い評価を得た日本映画史に残る名作です。大嶺監督は、本作を『砂の器』、『八つ墓村』に続く、ベスト・スタッフによる作品として紹介された後、キャメラマンである川又昂さんから大嶺監督に託されたお言葉をお話しいただきました。当時の撮影現場の貴重なエピソードの数々は、映画が生まれる瞬間を垣間見るようで、とても刺激なひと時となりました。短い時間ではありましたが、映画の興奮冷めやらぬなかでのトークに、ご来場いただいた皆様にはいつも以上にお楽しみいただけたかと思います。

大嶺監督には、今回の展示にもご協力いただき、なかでも、小津安二郎監督の名作『東京物語』のワンカットを記録したシート(記録用紙)を再現していただきました。通常、記録の仕事は専門のスタッフが担当するのですが、松竹大船のみ助監督のサードかセカンドが担当していました。これは、助監督にとって編集、しいては監督の演出術を覚えるための修行でもあったとのことです。ぜひ展示にてご覧ください。