巨匠が愛した女優たち

2017年12月22日(金)~2018年3月11日(日)

スポットライトを浴び、“Falling in love again”と歌う『嘆きの天使』のマレーネ・ディートリッヒ。かつて〝光の魔術師〟と呼ばれた名匠ジョセフ・フォン・スタンバーグは、照明と撮影の技術を駆使してディートリッヒの脚線美を余すことなく映し出し、そこにひとりの女優をつくりあげました。本企画展ではこのように巨匠(マエストロ)が愛し、ヒロインとしてスクリーンに煌めかせた女優たちを特集します。

陽気で快活なイングリッド・バーグマンに、不安に怯える女性を演じさせ、アカデミー賞主演女優賞をもたらしたジョージ・キューカー監督の『ガス燈』。「ワルを演じてベティほど活きる女優はいない」と謳われた大女優ベティ・デイヴィスの貫禄が光る『イヴの総て』。ダニエル・ダリューの美貌が観客の誰しもを虜にしてしまう『赤と黒』。巨匠ジャック・フェデーとのコンビで常に聡明な女性を演じた巴里の女マダム将フランソワーズ・ロゼーの『ミモザ館』。シモーヌ・シニョレが世にも恐ろしい女性を演じた『悪魔のような女』等々、名作をそろえました。演技と演出の見事なコンビネーションによって、クールにもチャーミングにも様変わりする女優(ヒロイン)の輝きをこの機会にご堪能ください。

展示協力
株式会社 近代映画社
早田雄二実行委員会
東京国立近代美術館フィルムセンター
根本隆一郎氏/原川順男氏/槙田寿文氏