特別展「サスペンス・ミステリー映画の奇しい世界」
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2025年11月30日(日)~2026年3月29日(日)
観客の心を惹きつけるサスペンス・ミステリー映画には、先人たちの編み出した巧みな演出上の工夫や効果を高めるための叡智が込められています。
英国からハリウッドに招かれたアルフレッド・ヒッチコックは、1940年に渡米第一作『レベッカ』を発表します。この頃からジャンル名としての「サスペンス」が定着し、ヴァラエティ誌の映画欄には「ミステリー」や「フーダニット」とともに、ジャンルを指し示す用語として登場するようになりました。50年代に傑作をいくつも作り上げ、“マスター・オブ・サスペンス”と称されたヒッチコックは、人々の平穏な日常の中に潜む「犯罪」や「疑惑」を描いて人気を博します。60年代以降、登場人物の心理状態に重点を置いた作品は「サイコスリラー」と呼ばれ、夢や回想、曖昧な記憶を扱った映像表現に様々な工夫がなされるようになりました。
宙吊りにされた不安な状態がもたらすスリルを味わうサスペンス映画と、謎解きの過程を楽しむミステリー映画、重なり合うことの多いこの2つのジャンルは、より複合化した現代映画において、様々な料理に溶け込むスパイスのように効果を発揮しています。本展では両ジャンルの古典から近作までを取り上げ、その魅力に迫ります。スリルと謎に満ちた展開で私たちを楽しませ、魅了してきたサスペンス・ミステリー映画の奇しい世界>をご堪能ください。
<奇しい世界>とは
「あやしい」には<怪・妖・異・奇>の4文字があり、いずれも不可解で謎めいたもの、神秘的・魔術的、奇妙奇天烈な世界をあらわしています。奇術から発展した映画史上の画期的演出術の数々に敬意を表し、本展では「奇しい」と表記します。
特別展観覧料:一般 500円(350円) 小・中学生 250円(170円)
*( )内は20名以上の団体
*鎌倉市民(市内に住所を有する方)は展示観覧料無料です。
入館時に住所が確認できる証明書をご提示ください。
展示協力(敬称略):国立映画アーカイブ、井上由一、小野里 徹(POSTER-MAN)、加藤 豪、倉本正文、斉藤吉彦(「まちの灯り 映画館」店主)、ささめやゆき
イラストレーション:及川真雪
デザイン:相馬敬徳

