満員御礼!!「活動弁士・澤登翠のかまくら活弁&トーク~歴史を旅する映画篇~」

3月9日に開催しました、企画展「歴史を旅する映画」のフィナーレを飾るイベント「活動弁士・澤登翠のかまくら活弁&トーク」は、おかげさまで満員御礼となりました。本イベントは日本独特の話芸「活弁」の第一人者として国内外で活躍する活動弁士・澤登翠さんの活弁上映とトークイベントの二部構成からなるシリーズ企画です。今回、上映したイタリア無声映画の代表作『アントニーとクレオパトラ』は今から100年以上前の映画ですが、壮大な舞台と群集シーンは今見ても圧倒されます。澤登さんの朗々たる活弁が映画をより一層盛り上げ、ローマ共和国の時代が真に迫ってきました。スクリーンだからこそ体験できる映画ならでの魅力を改めて感じることができました。

電気館(模型) 協力:江戸東京博物館

『アントニーとクレオパトラ』  画像提供:マツダ映画社

  上映後は、引き続き、澤登さんにご登壇いただき、「『アントニーとクレオパトラ』と活弁の魅力」と題したトークイベントを開催しました。『アントニーとクレオパトラ』は今から105年前の大正3年に日本初の常設映画館、浅草電気館で封切られています。公開当時の電気館の写真やチラシの画像を投影しながら、無声映画時代の活弁上映の様子についてお話をしていただきました。無声映画全盛期の弁士は、映画スターよりも人気があったという時代です。時代を代表する弁士の方々を、澤登さんの実演も交えてご紹介していただきました。また、『アントニーとクレオパトラ』について、原作と映画の関係や当時の映画女優のイメージなどさまざまな視点で解説をしていただき、上映後もより一層楽しむことができました。

  最後に、鎌倉の由比ガ浜通りにかつてあった、鎌倉で最初の映画館「鎌倉劇場」をご紹介していただきました。無声映画時代に祖母が「鎌倉劇場」で活躍していた女性弁士だったという市民の方にも貴重なお話をお伺いすることができ、鎌倉の映画文化に触れるまたとない機会ともなりました。

鎌倉劇場 大正2年(1913年)開場   鎌倉市中央図書館近代史資料室所蔵

 「活動弁士・澤登翠のかまくら活弁&トーク」は、来年度も開催を予定しておりますので、ぜひご期待ください!                            (文)